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chimaki祇園祭り図

  • 執筆者の写真: TAKUROZOME
    TAKUROZOME
  • 2022年8月9日
  • 読了時間: 2分

何年ぶりかの京都祇園祭り。もともとは疫病退散の祭りなので今年で何とか終息してほしいものだ。この祭図は現代の祇園祭りをテーマに、駒形提灯を雲に見立て、提灯の下の部分を

チマキに見立て、その隙間から京都タワー越しに京都の町を神様が俯瞰している図である。

何とも不可解な図であろう。奈良芸術短期大学の研究紀要にも載る予定だが、先走って制作動機なるものをお伝えしたい。

まず染色とは基本的に防染することを考慮しながら、模様をつくっていかねばならない。

絵画とは違い、間接的に模様なり文様を組み立てていく必要性があり、染めるという行為に巻き戻しはできない。ただ、機械やデジタルでの大量生産は製作工程での微調整は難しいが、手工芸的な作家による染色は失敗があったとしても、少なくとも少しの方向転換や修正は可能である。

一枚の布に何度も重ね染めと蝋による防染をする行為は、最終的にもたった布一枚であるということを考えると作業の痕跡がこと細かに残る。時間に流れがあるように、布一枚の痕跡は時間までも読み取れるような気がしてならない。作品というものは一瞬の刹那的な感動が味わい深いものだが、一枚の布には時の流れを見つめるような独特な風情があるように思う。祇園祭りは、まさにその独特な時間を感じさせる祭りである。祇園囃子を聴きながら駒形提灯を眺めるときの恍惚感。。ビルの窓に映る提灯ははるか昔の人はどう思うのだろう。私の魂は時空を超えた不思議な共鳴を覚えたものだ。

1ヶ月にわたり、取材をしていくなかでこの喜びと、不思議な共鳴をたった一枚の布に表現したいと思った。






 
 
 

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